腰痛

2018.11.22

腰痛

皆さんこんにちは!!
 
院長の富山です!!
 
本日は腰痛について皆さんに認識を深めて頂く為にお伝え致します。
 
 

腰は腰椎と呼ばれる、5つの骨がブロックのように積み重なって構成されています。他の脊柱に比べて腰椎は多くの荷重を支えており、かつ大きな可動域も持っています。そのため腰には、常に大きな負荷が加わりやすいです。

腰痛はこの腰椎に負荷がかかり障害が起きるものもあれば、その周囲にある筋肉や軟部組織に負荷がかかり障害が起きるもの、内臓からの関連痛として痛みが現れるもの、ストレスなどの心因的な問題によって痛みが現れるものなど、さまざまな要因が関係しています。

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原因

何が障害されるかによって、腰痛の種類も、症状も、原因も変わってきます。腰痛の原因は非常に多岐にわたり、まだまだ解明されていないことも少なくありません。
ここでは一般的な腰痛をいくつか挙げながら、記載していきます。また腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腰椎すべり症については坐骨神経の項にて触れています。

ギックリ腰

ギックリ腰は正式名称を急性腰痛と言い、何が原因で腰痛が生じているかというよりも、急激に発症した腰痛の総称として使われています。
その激しい痛みから「魔女の一撃」などとも呼ばれています。多くは筋肉や、関節の障害によって痛みが生じます。子供を抱っこしたり、重たいものを持ちあげたり、スポーツなど運動時に生じることもあれば、ふとした時に体を捻ったり、動かしたり、少し腰を曲げただけだったりと、少ない動きや負荷の中でも起こることもあります。

痛みの非常に強い急性期では、できる限り安静を心掛け、無理して動かさないようにします。受傷後2日~3日は患部を良く冷やし、炎症の拡大を抑えます。アイシングと言い、氷嚢などを使い10分~15分患部を冷やします。また急性期は入浴や飲酒を控えた方が、症状が良くなりやすいです。コルセットやサポーターなどの使用もおススメです。急性期を越え、強い痛みが落ち着いてきたら、徐々にストレッチや日常動作を行うようにしていきます。

痛みが軽減してきても、筋肉の緊張は残存していたり、腰をかばっていた際の、歪みが身体には残ったりしています。この歪みや緊張をそのまま放っておくと、ギックリ腰が再発しやすくなってしまいます。
ギックリ腰は油断せずに、しっかり治しきりましょう。またギックリ腰と、ヘルニアなどを併発する場合もあります。足にしびれが生じ、数日しても消失しない場合などは注意が必要です。

腰椎圧迫骨折

高齢者に多い疾患で、骨粗鬆症を基盤としている場合が多いです。
しりもちをついたり、軽くこけたり、くしゃみをしたりするだけでも起こることのある怖い骨折です。

脊椎の前方部分で、荷重を多く支えている椎体という部分が、圧壊してしまうことにより生じます。安静時でも、うずくように痛みが出る場合や、寝返りなど少し身体を動かすだけでも痛みが生じたり、咳やくしゃみ、背骨を軽く叩いたりした時にも痛みが生じる場合には、圧迫骨折を疑います。

基本的には安静やコルセットでの固定が必要になります。また痛みの緩解を目標として、温熱療法や軽度の手技療法、物理療法を行います。寝たきり状態にならないように気を付ける必要もあります。骨折が複数に渡ったり、症状が重たい場合には、手術の適応になる場合があります。

椎間関節(ついかんかんせつ)性腰痛

腰椎は5個存在し、それぞれの脊柱は、椎間関節という関節で繋がっています。この関節に負荷がかかり、関節を捻り痛めてしまったものを椎間関節性腰痛と言います。

わかりやすく言うと腰の捻挫です。
腰を捻る動きや腰を反らす動きで負荷がかかりやすく、そういった動きをした時に、痛みが誘発されやすいのが特徴です。
ギックリ腰の原因の1つであると言われています。椎間関節性腰痛や筋性腰痛に関しては、レントゲンやMRIを撮影しても異常が現れることは少なく、痛みの特徴や、どのように動かすと痛いかなどによって、どの組織が痛んでいるかを判断し、施術していきます。

レントゲン等で異常が現れにくい分、放置されやすい疾患の1つですし、それが原因で長年の腰痛に悩まされてしまう場合もあります。

筋性腰痛

筋・筋膜性腰痛とも呼ばれます。
筋肉は筋膜いという薄い膜状の組織に包まれており、この筋膜か筋肉自体に、何らかの障害が生じ腰痛が生じたものを指します。

筋肉は本来ゴムのように伸縮性を持っています。そして筋膜の中を滑るようにして動いています。筋肉の使いすぎや不良姿勢、急な動きや、力を入れてしまう事で痛めてしまい、筋肉には筋スパズムという緊張が生じます。この筋肉の緊張が、筋肉と筋膜の動きを悪くし、筋肉内の血行が悪くなり、より痛みが生じてしまいます。ギックリ腰の原因にもなり、整骨院では非常に頻度の高い腰痛ですが、椎間関節性腰痛同様、レントゲン等で異常が現れにくい分、放置されやすい疾患の1つです。

また生活習慣や環境、仕事での姿勢、自宅での生活様式、運動習慣などが根本的な原因になってしまうため、痛みが改善しても、再度発生しやすいのがこの腰痛の特徴です。
症状を治しきる、また再発させないためには、不良姿勢の改善や骨盤矯正、生活習慣の改良、セルフケアや自宅でのストレッチなどが非常に重要です。痛みの特徴としては、安静時よりも動かした時の方が痛い、身体を捻る動作や前屈動作、中腰姿勢で痛いなどがあます。
また起床時の痛みや、長時間同じ姿勢で座っていた後での動き出しの痛み、昼過ぎから夕方にかけて筋疲労が起きて痛みが生じる、などといった症状もよく聞きます。どの筋肉が痛んでいるかによって、動かした際の痛みも変わってくるため幅広い症状が現れやすいのも特徴です。

湿布を貼るだけや、慰安目的のマッサージでは、なかなか症状は改善しにくく、痛みを無理に我慢していると、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症になるリスクが高くなるため、早期での整骨院での施術をおススメします。

腎臓などの内臓からの腰痛

胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった胃や腸を中心とした消化器官の炎症や疾患、腎結石や腎盂腎炎、尿路結石など泌尿器系の炎症や疾患などによっても腰痛が生じます。
内科疾患からの放散痛として痛みが生じる場合もあれば、筋性防御といった内臓痛みのために、周辺の筋肉が固まることによって腰痛が生じる場合もあります。他にも生理痛や内臓の冷え性、インフルエンザ、などによっても腰痛は発生します。
これらの腰痛の特徴としては動かした時よりも、安静にしているときの方が痛みを強く感じることが多く、疾患によっては発熱や血尿、お腹を押した時や放した時の痛み、吐き気などの症状を伴うものもあります。腰痛自体よりも、まずはその原因である疾患を施術していくことが大切です。

症状を放置せずに、早期診察を受けるように心掛けて下さい。当院では、検査や評価を行い、内臓疾患が疑われる場合、しかるべき医療機関をご紹介致します。

癌による腰痛

大腸や膵臓、肝臓など内臓の癌や、背骨への癌の骨転移によっても腰痛が生じる場合があります。
癌の既往歴があったり、体重が急激に減少してきたり、痛みの強さや性質が変化しないまま数週間続いている場合や、安静にしているのに痛みに変化がないなどの特徴が当てはまる場合、早期に病院を受診した方が良いでしょう。また癌が原因の腰痛は50歳以上の人に多くみられると言われています。

疾患によっては発熱や血尿、吐き気などの症状を伴うものもあります。
当院では、検査や評価を行い、内臓疾患や癌が疑われる場合、しかるべき医療機関をご紹介致します。

心因性腰痛

最近の研究では、腰痛とストレスなどの心理的要因は深く関係していると言われています。
仕事での不満や、人間関係の悩み、環境の大きな変化、将来への不安など色々なストレスが、この心因性腰痛の原因になる場合があります。

何をしても良くならない場合や、どんな検査をしても問題ないと言われてしまう場合などは、この腰痛を疑ってみる必要もあるかもしれません。

仙腸関節痛

仙腸関節とは、骨盤の骨である腸骨と、背骨の一番下側にある仙骨とをつないでいる関節です。上半身と下半身をつなぐ関節で、骨盤の歪みにも非常に大きく関係します。

本来数ミリしか動かないような動きの小さな関節ですが、捻挫やギックリ腰の原因になる場合があります。痛みの特徴としては、動かした時に痛みが生じやすく、特に前屈で痛くなる場合が多いようです。筋性腰痛や椎間関節性腰痛に比べて、痛みが出る部位や押した時に痛む部位が、お尻よりに出ることなどから鑑別診断を行います。

痛みが強い場合は、コルセットやサポーター、テーピングなどを使い、患部を安静にします。

施術

整骨院は、筋肉や骨、関節のスペシャリストです。ギックリ腰や筋性腰痛、椎間関節性腰痛、仙腸関節痛など捻挫や挫傷に関しては、特に専門的に施術を行えます。

施術内容は、症状の時期や痛みの程度、症状の種類によって異なります。症状が現れてすぐの、急性期においては強い痛みや炎症が併発する場合があります。その場合はまず患部の安静、アイシングを行います。物理療法や鍼施術、軽度の手技施術も有効です。コルセットやサポーターを含む、自宅での痛みの出にくい過ごし方や、日常生活を含めたアドバイスや指導を行います。
徐々に痛みが軽快してきた場合や、最初から動けないほど強い痛みでない場合には、症状に合わせて身体のバランスを整えたり矯正をしたりします。腰痛や他の運動器系疾患の多くでそうですが、不良姿勢や日常生活での負荷の積み重ねが、症状の根本的な原因である場合が多いです。つまり、今出ている痛みだけを改善させても、根本的な原因を施術して解決しないかぎりは、症状は再発しやすかったり、腰痛がクセついたりしてしまいます。

腰椎椎間板ヘルニアや、腰部脊柱管狭窄症などにも、このような施術は有効で、身体のバランスや歪みを整える事で、障害が起きている患部の負荷を減らし、治癒を早め、症状の緩解を目指します。

内臓疾患や癌など整骨院ではなく、内科や病院に行った方が良い疾患に、起因する腰痛が疑われる場合には、検査や評価を行い、しかるべき医療機関をご紹介致します。



院長 黒澤 尚耶